ミュシャについてレポートを書いたので記録:日本人はミュシャが好き?

ミュシャについてのレポート
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先日、学校の課題でミュシャについてのレポートを書きました。
参考資料として図書館で借りたり、自分でも買ったりして10冊位読みましたよ〜

結構内容かぶってるんですけどね。本出してる人も、他の本を参考資料にしてるようですね。

『ミュシャのすべて』は自分で買った本です。
コンパクトだけど文章も多くて、作品掲載も『スラブ叙事詩』や無名画家時代の挿絵も載ってて、見応えありました。価格も良心的!このブログの文章もこの本が参考です。

もくじ

ミュシャってどんな人?活躍した時代背景など

19世紀アール・ヌーヴォーの代表的な芸術家の一人。
ベル・エポックと呼ばれた華やかな時代に、娯楽や食品、嗜好品、観光など様々な分野で、宣伝のためのポスターが出回ったが、ミュシャはそのほとんどを制作した。

よく「ミュシャ展」で見るような作品は、元々は当時の広告用のポスターが多いです。
ミュシャを含む画家たちが、ポスターを制作したことで芸術的な価値が高まり、コレクターも現れたり、家に飾る用の装飾パネル(2〜4枚セットの衝立のようなもの)も作られたりしました。

ミュシャがデビューしたのは、サラ・ベルナールという大女優の演劇ポスターの制作がきっかけとされてます。クリスマス休暇で他のポスター画家がいなくて、たまたまミュシャが空いてて声かけられた。

それで作ったら、サラに気に入られて「あなたに今後も私の仕事すべて任せるわ!」的な大成功。衣装や舞台のデザイン、宝飾品なんかも作りました。

元々、挿絵画家でやってて、実力はあったのでしょうね。時代の流れや顧客のニーズにしっかり合ってたから成功したんでしょう。チャンスが来たらつかめるように、日頃から準備しておくことが大切ですね。

ミュシャのポスター戦略

ミュシャはほとんど全てのジャンルでポスター作ってます。自転車やタバコが「新しい女」として当時の女性たちの間で流行したとか。

ミュシャ『ペルフェクタ自転車』
ミュシャ『ペルフェクタ自転車』/『ミュシャのすべて』より転載

画像は自転車のポスター。髪が装飾的なのもミュシャデザインの特徴ですね。女性の方が目立ってるけど自転車売る気あるのか?

これはミュシャの戦略で、商品より雰囲気を見せるものです。
「まだ自転車持ってないの?」って煽ってくるような。「この自転車買ったら私もこんな感じになれるかな〜♡」みたいな気持ちにさせる作戦ですね、きっと。

ミュシャの画風の特徴

ミュシャのデザインの特徴を見るために、他の画家と比較するってこともしてみました。


ミュシャより先にポスターを作ったロートレックの本。ロートレック展の図録も買いました。いずれもネットで購入。

ロートレックって作品少ないなと思ったら、37歳で亡くなってるんです。
図録には19世紀のポスター黄金時代といわれた頃の画家たちの作品も(ミュシャの作品も少し)載ってます。
ポスターで一番初めに有名になったシェレの作品も。図録の割にはテキスト多めですが、中々良かったです。

ミュシャの女性像は繊細で優雅

当時の他の画家と比べると、ミュシャの描く女性はやっぱり繊細で美しい!!

ロートレックやシェレは浮世絵の影響を強く受けてるようで、赤や黒などハッキリした色を使ってますが、ミュシャの場合は中間色をメインに使っている。
アラベスク模様や中世のモザイクの影響の方が強くみられるとのこと。

先輩のロートレックやシェレと違う「新しさ」が、人気の原因かもしれません。

というか、美術史を見てると、みんなお互いに影響受けあって、そこにちょっと自分のアレンジみたいなのを加えて、結果的に自分の作品にしていってますね。全く今まで誰もみたことのない作品なんて難しいです。

日本人は昔からミュシャが好き

レポートの中で日本に与えた影響みたいなのも調べました。
19世紀の画家はジャポニズムで、浮世絵の平面的な構成や色彩などに影響を受けたと言われますが、ミュシャもその一人のようです。

ゴシック系やアラベスクとか象徴主義のような方が強めですが、日本からも影響を受けてると言われると何か嬉しいですね。

そして、フランスで活躍したのと、ほぼ同時期に日本の雑誌『明星』でミュシャの影響が!

(左)『サロン・デ・サンでのミュシャ展のポスター』1897年/(右)『明星』第7号の挿絵、1900年
(左)『サロン・デ・サンでのミュシャ展のポスター』1897年/(右)『明星』第7号の挿絵、1900年

いや、これは影響というより、パクリ?
文字や花が違うけど、ほぼ同じですよね。今だったらSNS炎上しそう。
こんなふうに雑誌の挿絵に使われるくらいだから、もう最初から日本人はミュシャが好きなんでしょうね。

デザイナーで活躍したあとは『スラブ叙事詩』

パリでの成功のあと、ミュシャはアメリカで資金集めをして、祖国のチェコに戻り『スラブ叙事詩』の創作をします。祖国のために無償で切手や紙幣のデザインをしたという話を聞くと、人間的にも好きになりそう。

ポスターのあとに歴史画を描いてるので、時代の流れと逆行してるように見えるけど、そもそもパリでデザイナーとして活動してたのも『スラブ叙事詩』を描くための資金集めだったのでしょうか。

ミュシャ展またやるらしい

なんかレポート作成してる間に、ミュシャ展をやるというニュースが!
もっと早くやってくれれば、レポートの参考になったのにな〜なんて思ったり。

数年前にもミュシャ展行きましたが、その時は『スラブ叙事詩』がメインで、正直そんなにピンと来なかったけど、今回は有名なポスター作品が多いので万人受けしそうです。

FFのキャラデザインでおなじみの天野喜孝さんもミュシャの影響受けてる?みたいなこと言われてますね。確かに雰囲気がそんな感じかも。天野さんの絵も大好き。

それにしてもミュシャ展は頻繁にやってる印象があります。日本人は印象派もミュシャも好きですよね。私ももちろん(?)好きです。

ミュシャについてのレポート

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