一応言っておきますが、こういうタイトルの本です。中々キツイ、ネガティブワードてんこ盛り。
以前、Amazonでベストセラーとなっていたのでタイトルに釣られました。
本の対象年齢は80代ぐらいまでの全世代の女性です。感想書いたので読んでください。
本の概要
著者は低スペックではない
「長いまえがき」があって、その一番最初に
「本書の著者は低スペック女子の成れの果てである」
(『馬鹿ブス貧乏で生きるしかないあなたに愛をこめて書いたので読んでください。』P16より)
と書いてあるのですが、全然そんな事はありません。経歴を見ると1953年生まれで大学院卒、元大学教授ですし翻訳などもしています。
Amazonで「参考になった」数が最も多いレビューでは「作者がスペック詐欺…」というものですが、それだけで読むの辞めるのはもったいない気がします。
本書の言葉の定義付けと構成
- 馬鹿 ⇒ 1を聞いて1を知るのが精一杯
- ブス ⇒ 顔やスタイルで食べていけない
- 貧乏 ⇒ 賃金労働しないと食べていけない
ほとんどの人が当てはまるんじゃ…。もちろん私も。
個人事業主、フリーランスだから「賃金労働」してないと言ったって、結局は何かあった時に「補償して」と言ってる人は、この定義だと貧乏に当てはまるでしょう。
この本は青春期編〜老年期編で三部構成になっています。
本書の対象年齢
- 青春期編(〜37歳)
- 中年期編(〜65歳)
- 老年期編(66歳〜)
若い女性への自分の守り方(男関係)から、更年期、終活まで幅広く書いてます。本書によると、馬鹿ブス貧乏の強みが発揮されるのは老年期だそうで、老後の心配が一つ減りました(?)
全部に触れるとすごいことになるので、主に「青春期編(〜37歳)」を紹介しつつ感想を書いていきます。
初めはちょっとイラッとする
最初から最後まで「あなたは馬鹿でブスで貧乏なので〜」という言葉で始まる文章がかなり多い!初めのうちは読むの止めようかなと思ったりしました。そもそも、そういう言葉が嫌いな人は、絶対読まない方がいいです。
▼こういう本が好きな方は読んじゃダメ。
あとは「引き寄せの法則」が好きな方も向いてないでしょう。
まあ、タイトル見て最初から手に取らないと思いますけどね。
と言う私はどちらかというと、引き寄せの法則とか好きなタイプだったりします。
それにしてもタイトル「馬鹿ブス貧乏で生きるしかない」ってひどすぎませんか?
私はどんな事が書いてるか気になるし、面白くなかったら酷評してやるぜと思って読みました。ブログ書いてるとなんでもネタになるのでね。
まえがきに は”常に留意しておくこと”として「現実と幻想をゴッチャにしない」と書いてあります。例えば、お金がないと出来ないことを、金もないのにやらないなど。
毒舌が逆に清々しい
読んでいてイラッとしたのも正直な所ありますが、段々と応援されてるような気になってくるのが不思議。
口が悪いけど、実は自分のことを思って色々教えてくれるおばさんて感じでしょうか?
「容貌は女の人生を決める」
「長いまえがき」が終わり、いきなり「容貌は女の人生を決める」と来ます!
お、おう。ですよね。
しつこいようだけど、「女の子は誰でもお姫様〜」みたいな感じの本が好きな人はムリだろうなぁ
本格的なブスで馬鹿で貧乏な女性には、美容整形手術を薦める
とか言ってきます。キツイ……。
本格的ってなんだ?
普通の人は「雰囲気美人」を目指そうというフォローもあります。
街に出れば勉強できる、美しいと思うものをとにかく、見て学ぶ、美人のフリをする。
今から整形はキツイけど、おしゃれな人のセンスを盗んで、フリなら行けるかもしれない?
「人間は外見ではなく中身だ」と言う無責任で愛情のない人間を信用しないように、それこそファンタジーだ。
大体の人は「人間は中身が大切」と言うと思います。私もそう思う、けど、実際問題として、外見も中身もいい人が居れば一人勝ちですよね。
こんなハッキリ言われると、確かにと思ってしまう。中身が大切だからと開き直って、外見を良くすることを怠ると、ますます劣化していくばかり。
37歳ぐらいまでの人は、特に費用対効果が大きいから外見も気をつけなさいってことですね。私はちょっと過ぎたけど、まだ頑張りたいですw
「あなたの代わりはどこにでもいる」
仕事についても著者は辛辣なメッセージを突きつけてきます。
「あなたの代わりの人間はどこにでもいる。勘違いしないように。給料さえ普通に出るのならば、ひたすら職場に、さりげなくすがりついていよう。」
キツイですよね。中々辞めさせてくれないブラック企業に勤めてた時、社長に「私の代わりなんていくらでもいますよ」って自ら言ったことありますが(笑)
若い頃は、やりがいのある仕事、天職を求めがちですが、著者は「苦にならない仕事はみな天職」と言ってます。今となってはこの言葉が何かわかる気がする。
でも、やっぱり個人的には若いうちはいろいろ挑戦してみて、自分探しとか無駄にあちこち行ってみても良いと思う。
「こんな仕事、私のする仕事じゃない!」なんて勘違いした事言っちゃっても良いですよ。
昔、私が上司に言ったセリフですけどww
アドバイスも多数
ひたすら「あなたは馬鹿でブスで…」なんて言われ続けるだけの本など価値はありません。クレームが大量に来るでしょう。ちゃんと具体的なアドバイスみたいな事も言ってくれます。
自分に正直でいることの大切さ、結婚するなら国語能力のある男性が良い。どこに行っても変な人間しかいないから、人間関係を理由に退職しないようになどなど。
更年期の話や、性欲の話も面白かったです。著者のおすすめ本もたくさん登場します。
中年期は空っぽになるまで生きる、学び続ける
「学び続ける」これは年代関係なく共通して書いてありました。
特に読書を習慣として、お金について、マナーや語学について。貧乏な人ほど”情強”でなければいけません。自分で申請しないとお金もらえないなんて制度も多いですし。
中年期(38歳〜65歳)は苦しいそうです。怖いね。
美人でチヤホヤされてきたわけじゃないから、歳をとってもそんなに劣化のギャップが少なくて楽なんてことも書いてあったり。
あぁ、たしかにそれはメリットかも?
「老年期に入る前に、やれるだけのことを実践し、やりたいことは、できる限りすべて経験しておこう。空っぽになるまで、消耗し尽くすまで、中年期を存分に生きてください。」
38歳〜65歳って長いですよね。この時期に燃え尽きるように、たくさんやりたいことやって生きていこうと思います。
私はそんなに長生きしたくないので、65歳までしか寿命ないつもりで!
「いつまでも生きられる」と思うからダラダラしちゃうんですよね。というより100歳まで生きるとなったら怖すぎる…。
全世代の女性が対象の本
大体20代ぐらいから80歳ぐらいまでが一応対象です。80歳ぐらいの人が読書するのかわかりませんが。一日中ずっとテレビ見てる印象。
内容が強烈で書けなかったけど、性の話等も書いてますので、できれば20代〜30代の女子に読んで欲しいなぁと思います。もちろん中年も。
344ページあるので最後まで読むのは中々時間かかりました。
「現実と幻想を一緒にするな」とあったように、夢や希望を与えてくれる本ではありません。
私自身も全てに賛同するわけではないし、人によっては上から目線というか、言葉にイラッとして、途中で読むの止めるかもしれません。
本書の中でいちいち「馬鹿で貧乏で…」と言ってくるのは、無駄にポジティブシンキングで空想しすぎずに、現実をしっかり受け止めて努力せよ!という著者からのメッセージだと私は受け取りました。
でも、家の本棚には絶対こんなタイトルの本を置きたくない!
から図書館で借りました(笑)
すみません。