現代アートはわからないけどおもしろい「六本木クロッシング2019展:つないでみる」

六本木クロッシング2019
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現代アートはよくわからない、というか苦手。そんな私ですが、「ヨリミチミュージアム」というワークショップを通じて、森美術館で開催の「六本木クロッシング2019展:つないでみる」に行きました。その中での気づきや感じたことなどを書いてます。

この記事に掲載している作品の写真はすべて「クリエイティブ・コモンズ表示 – 非営利 – 改変禁止 4.0 国際」ライセンスでライセンスされています。

もくじ

他の人とアートをみるワークショップ

今回、この展覧会に行くことになったのは「ヨリミチミュージアム」のワークショップに参加したからです。

「ヨリミチミュージアム」は、ミュージアムで人と人、人と作品が出会うワークショップです。

つまり、他の人と美術館に行って、鑑賞して、感想などを共有するというもの。

私は初参加なので、緊張…。しかも他のみなさんは現代アート慣れしてるというか、この展覧会に何回も来てる人が多くて、最初は参加したことが失敗だったかもと思いました(笑)。

テーマに沿って「みる」

「六本木クロッシング」は2004年から3年に一度開催の展覧会。美術館の方のお話によると「テクノロジーを使う」「社会を観察する」「その2つをつないでみる」が今回の展示のテーマです。

ワークショップでも鑑賞のヒントとして「自分とつながる作品」を選ぶというテーマが与えられました。まずは1人でみて作品を選び、あとでグループになった人たちと鑑賞します。

ただ「みる」と言われても難しいので、テーマがあって良かった。
※見る、観るなどありますが、展覧会が「みる」なのでここでも、ひらがなにしています。

自分とつながる作品を発見

ピンクのねこに別れを告げ(最初の写真)、入ってすぐに、私とつながりそうな作品を発見!

佃弘樹さんの『Ouroboros』
※写真を撮って良いのは、入り口のねこだけと思ってたので、撮るの忘れました。

彼の平面作品では、ドローイングや自分で撮った写真、いろんな画材や素材を組み合わせてコラージュを作っているとありました。

私は版画をやってるのですが、これから作りたい作品の方向に似ているので、自分の目標として勝手につながりを感じました。あと、丸い画面も何か良いなと。

かわいいから好き

写真撮る人が多かった作品です。ねこはやっぱり人気だなぁ。
現代アート云々より、とりあえず可愛いから好き。そんな感じでみていいと思う。

六本木クロッシング2019展:つないでみる 竹川宣彰|猫オリンピック
竹川宣彰《猫オリンピック:開会式(部分)》2019年

ねこは陶器でできています。1個ずつ作ったの?やる気なさそうなのとか表情が違っておもしろいです。金メダルのねこには魚が与えられます。

竹川宣彰《猫オリンピック》2019年
竹川宣彰《猫オリンピック》
竹川宣彰《猫オリンピック》2019年

あれ?気づいたらずっとここにいるんじゃない私?
1人でみるのは1時間と決められているので、名残惜しいけど先に行くことに。

なんか苦手な作品

好きだなってのもあれば、もちろん苦手な作品もあります。嫌いとまで言うと言い過ぎだけど。

林千歩《人工的な恋人と本当の愛》2016ー2019
林千歩《人工的な恋人と本当の愛―Artificial Lover & True Love-》2016/2019年

この展覧会の目玉作品の1つみたいです。ロボットの社長と陶芸教室の女子が恋に落ちるというテーマ。
後ろの映像ではその社長と女子が陶芸教室でいちゃついてます。
『ゴースト/ニューヨークの幻』を思い出しました。なくなった恋人がでてきて、一緒にろくろ回すやつ(雑な記憶w)

なんで、これが苦手なんだろう。
いや、苦手と言いながら何回もみてたりして。インパクトがでかいんですよね。
後から他の人たちと一緒にこの作品を再度みたのですが、1人の女性が「3回もみた」と言ってました。

好きな作品、嫌いな作品、気になる作品などについて「なぜそう思ったのか」「どんなところか」と突き詰めていくと、深い鑑賞ができるんでしょうね。必ずなにかあるはずです。
私のメモには「好きの反対は無関心」と書いてありました。

壊して再生するのが現代アート?

「壊して再生する」はやっぱり現代アートのテーマなのかな。20世紀のアーティストたちもやってましたよね。ゴミや廃材などを使った作品が多くみられた気がします。

ヒスロム《いってかえってー浮力4》
ヒスロム《いってかえってー浮力4》2018年

あとは「テクノロジー」ってテーマがあるので、映像や音楽を使ったものが多い印象。個人的には益々わからないジャンルです。「社会」的なメッセージが強そうな展示もありました。

個人的には、「みる」作品が多かったので、客を巻き込むインスタレーション作品がもっとあれば良かったなと思いました。チーム◯ボっぽい感じの。そういう作品と客の分かりやすい「つながり」も見たかったです。

古典絵画の方がわかりやすい?

1人で回ってた時は、やっぱり「現代アートってよくわからんな」状態でした。古典的な宗教画みたいな方が好きだなーなんて思ったり。

でもそれは「どう見るか」決められがちというか、美術解説が既にあって、それでわかった気になっているだけで知識で見てるだけかもしれない。
だから、解説がほとんどない現代アートはどうやって見たら良いか「わからない」

現代アートはみる側の負担が大きい?

現代アートは難しいと思ってしまうのは、自分との価値観の違いの大きさもあるかもしれません。作者の意図がわからず、ガラクタ並べてるだけにしか思えなかったり(笑)

何も考えずにみると「え?写真撮っていいの?インスタに載せよ〜」みたいな感じで終わる可能性があります。せっかくお金払ってるんですから、SNSに載せる以外にも何かあると良いですよね。

今回のワークショップでは、鑑賞テーマがあったので良かったです。普段、自分でみるときにも何か設定しようかな。

みんなで「みる」

1人でみた後に今度は3〜4名に分かれて、それぞれが選んだ作品をグループでみる時間がありました。

私は入り口付近の作品を選んだので1番目。さっき自分が選んだ作品について、理由などを説明します。ファシリテーター(進行役)の人が色々突っ込んで聞いて来るので、ちょっとアタフタしながら、こういう所が気になったと答えます。

その後で、他のグループメンバーがその作品についての意見などを話します。
自分が感じたのと同じようなことを言われたら「ありがとうございます」とか言っちゃったりして。私の作品じゃないのに笑

次は他の人の選んだ作品をみに行きます。
電話がずっと鳴ってる映像作品で、私がなんか怖いなと思ったものでした。
自分の記憶でのつながりで選ばれたようです。なぜか嫌な人からの電話は嫌な着信音にしてしまうという話をしました。ダース・ベイダーのテーマとか、あるあるです。

もう1人の方も興味深い作品を選んでました。
「よく見ると1個ずつ違うのに、全部まとめて1つとして見てしまう」など深いなぁと思うことを言っておられました。さすが2回目の参加の人は違うなと関心。

自分の見方で「みる」

普段、美術館に行くときは1〜2人のことが多いです。誰かと一緒に行ってもそこまで深く鑑賞について話したことなかったです。

今回のワークショップでは、自分や他の人が選んだ作品について、お互いに感想など意見を言い合ってる時間がおもしろかったです。
自分が全然興味を持たなかった作品に、興味を持つ人もいます。その人がどうして良いと思ったのか話を聞いた後にみると、さっき1人でみた時とは違う作品にみえてくるから不思議。

「感覚」でみてもいいけど、「わからない」なりに、作品と自分との共通点だったり、何が好きなのか、嫌なのか考えて「みる」のが現代アートの楽しみ方の一つなのかなと感じました。自分がどうみるかに正解なんてないですからね。またこういうワークショップ、機会があれば参加してみたいと思います。

展覧会情報

六本木クロッシング2019展:つないでみる

会場:森美術館
期間:2019年2月9日(土)〜5月26日(日)
住所:東京都港区六本木6-10-1 六本木ヒルズ森タワー53階

ヨリミチミュージアム情報

HP:https://yorimichimuseum.com/
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今回は展覧会のチケット代+参加費1,000円

六本木クロッシング2019

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